【王先生コラム】「中医学的な冬の食生活」第6弾~冬の食養生~
2021/01/25
こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です
王先生コラムの第六弾をお届けいたします!
王先生コラム「冬の食養生」
前回、中医学的な冬の過ごし方について話しました。
<<前回のコラムはこちら>>
今回は冬の食養生についてお話いたします。
中医学では冬の食養生のメインは『腎』を補うことになります。
何故かといいますと、五臓の中の腎は冬に通じ合う側面があることと、腎はその性質上、パワーダウンに陥りやすいため、常に補給・補足が求められます。
従いまして、「天人合一」(自然と人間とは一体する)の観点と腎の特性から、冬だからこそ、人間の成長や発育、老化などを担っている『腎』を充足させ、一年の活動の源を蓄えるべきだと考えられるわけです。
腎には主に「腎陽」「腎陰」「腎気」の三つの働きの側面があり、腎を充足させるのにこの三つの側面から食事に気を付けていただきたいです。
1.温腎陽(腎の陽を温める)
腎の陽(腎陽)は全身を温め、一定の体温が保てる陽の根本とされています。
腎陽が衰えると、冷え、寒がり、低体温、むくみ、生理痛や生理不順、不妊症、性欲低下、腰や膝がだるい、などの症状が見られます。
補腎陽の食材:ラム肉、鹿肉、ウナギ、エビ、胡桃、栗、シナモン、ニラなど。
2.滋腎陰(腎の陰を潤す)
腎の陰(腎陰)は体を潤し、一定の滋潤が保てる陰の根本とされています。
腎陰が不足に陥ると、のどの渇き、ほてり、寝汗、のぼせ、落ちつきのなさ、耳鳴り、めまい、抜け毛や髪の毛につやがなくパサパサになる、などの症状が見られます。
滋腎陰の食材:カモ肉、スッポン、ナマコ、卵、牡蠣、貝類、黒ゴマ、蓮根、など
3.補腎気(腎の気を益す)
腎の気(腎気)は体のスタミナ、水液代謝や呼吸に関わります。
腎気がパワーダウンすると、スタミナ不足、精神的疲労、不安を感じやすい、頻尿や尿漏れ、夜尿が多い、むくみ、呼吸が浅く、息切れ、不妊症、性欲低下、老化のスピードが早い、など症状が見られます。
補腎気の食材:豚骨、ウナギ、シジミ、長いも、山いも、自然薯、黒豆、黒米など。
この冬、是非ご自分の体に合わせて、補腎のある食生活を実践してみてください。
(監修/王瑞霞 先生)
王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問
北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師
専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通
今回の王先生のコラムでは冬の食養生を紹介しました。
寒い日が続きますが、食べ物でもしっかりと養生して春に備えましょう!
<<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>>
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