【王先生コラム】「カラダとココロを整える東洋医学」第2弾~冷え性~
2019/12/23
こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校の広報です。
王先生コラムの第二弾をお届けします♪
王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
冷え性の予防と改善
皆様、こんにちは、朝晩はめっきり冷え込んでできましたが、いかがお過ごしでしょうか?
前篇の「たがが冷え性、されど冷え性」からはや一か月が経ちました。大変お待たせしましたこと深くお詫び申し上げます、本当に申し訳ございませんでした。
さて、前篇では冷えは決して侮れない病態だと話しましたが、今回は冷え性の予防と改善のお話を致します。
1.冷え性の予防
冷え性は生活習慣と密接に関係するため、生活習慣を見直すことから冷え性を予防することが可能です。
以下、日常生活において気をつけていただくことにより冷え性の予防につながることをご紹介します。
●冬などの寒い時期や生理期になるべく下半身を温めるような着るものを着衣する。
冷えは足元から来るものが多いです。また女性の生理期は出血しているため、外部の寒邪が入り込みやすいです。そのため冬の寒い時期、ことに生理期には着るものに気をつけ、補温に努めます。
●体を温める食品を積極時に取り入れ、体を冷やす食品を控える。
体を温める食品:生姜、葱、にんにく、にら、カボチャ、コショウ、ウコン、発酵食品、甘酒など。
体を冷やす食品:アイスクリーム、アイスコーヒー、キュウリ、ナス、炭酸ジュースなど。
●お風呂に入る。
シャワーだけで済ませるのでなく、10~15分浴槽に入り半身または全身浴をし、血行を良くします。
●早寝、早起き、朝食を食べる。
早寝、早起き、朝食を食べることは、漢方医学の視点からは、体を温める役割をする陽の働きを喚起及び活発化につながると考えられ、陰陽のバランスを維持するのによいことです。
●定期的に運動する。
ウォ―キング、ストレッチ体操など。
2.冷え性の改善
冷え性といっても、冷えの原因や冷える部位、慢性的に経過しているかによって、用いる漢方薬が異なります。これは漢方医学の特徴の一つである個体を重視する、いわゆる「同病異治」のことです(同じ病ですが、人に因って治療が異なる)。
以下、冷え性に用いる漢方薬処方をご紹介するので、ご参考になれば幸いです。
●人参湯(にんじんとう)
胃腸が冷える方にお勧めの漢方薬です。疲れやすさに食欲がなく、胃やお腹の方を触ってみると冷たく感じる、冷たい飲食物で胃やお腹が痛くなったり、下痢してしまったりするもの。
●大建中湯(だいけんちゅうとう)
手足が冷たいと共に、腹部が冷えて痛む方にお勧めの漢方薬です。腹部のへそやへその下あたりが冷たくて痛い、手で押されるといやがる。時にはお腹にガスがたまる感じがあり、便が出にくい。
●当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう)
手足の末端が冷える方にお勧めの漢方です。手足が冷えて、顏の血色もよくなく、貧血気味。またしもやけや凍傷にも用いる。
●当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
手足の末端が冷えると共に、冷えにより頭痛や胃痛が見られる時に用いる漢方薬です。前記の当帰四逆湯に温める力が強い呉茱萸、生姜を加えたため、処方名は当帰四逆加呉茱萸生姜湯となりました。
●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
下腹部の冷えがあり、生理痛や生理不順などの婦人科疾患によく用いる漢方薬です。具体的所見は、下腹部に冷たくて、生理時に生理痛があり、レバー状出血が見られ、唇や舌が紫色を呈するなどです。
●温経湯(うんけいとう)
下腹部の冷えがあり、生理痛や生理不順などの婦人科疾患によく用いる漢方薬です。前記の桂枝伏苓がと異なるところは、生理時にレバー状の出血が見られないことと、普段は肌や唇が乾燥しており、顏の血色もよくないことです。
(監修/王瑞霞 先生)
王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問
北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師
専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通
今回の王先生のコラムではこの寒い時期に皆さんのお役に立てた事と思います。
かぼちゃやコショウはカラダを温める食材なんですね。知りませんでした。皆さんも内側からもカラダを温めましょう。
王先生の東洋医学講座は体験授業がございますので、興味のある方はぜひご参加ください。
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