東京医科歯科大学臨床教授
前国立身体障害者リハビリテーションセンター病院長・学院長
柔整鍼灸を目指す旅人へ
人間の寿命と医療
38億年前に生命体が地球上で誕生して以来、数え切れない程多くの進化を遂げて、ようやく500万年前に出現した人類は、近年、驚異的に寿命が延びてきました。日本人の寿命は戦後50歳だったものが今では男子79歳、女子86歳となり、世界一の長寿国となりました。75歳以上の後期高齢者は1,300万人います。寿命が延びた要因は栄養状態の改善や死亡率の高い3大疾患(がん、脳卒中、心臓病)の克服政策などいろいろありますが、いまや長寿に関わる医療福祉費が急膨張すると予想され、その改革において大きな混乱を生じています。長寿はめでたいことなのに困った状態です。
柔道整復師・はり師・きゅう師の仕事
これから医療費がかさむかどうかはさて置き、医療従事者の仕事は患者さんを救うことです。命を救うこともあれば精神を救うこともあります。痛みを取ることもあれば障害を軽減する仕事もあります。患者さんの要求に応じて医術を持って応える職業であり、柔道整復師やはり師・きゅう師は柔道整復術や鍼灸術を持って治療します。その効果は広く人々に認知されています。また近年では、抗がん剤と併用してがんの痛みを取る代替療法として鍼灸が注目されています。医師と同じように国家試験があり、合格者には免許証が発行され、定める範囲内で治療し開業する自由があります。
活気あふれる学生の町へ
本校は平成14年に創立され、これまで372名の卒業生を送り出してきた若い学校です。都内新宿区高田馬場にあり、JR同駅から5分と近い距離にあります。高田馬場は全国から向学心に燃える若者や社会人が多数集まる活気あふれる学生の町です。そこには色々な専門学校と近隣に大学があります。そこで臨床経験豊かで教育熱心なベテランの教官があなた方を待っています。
東洋医学・西洋医学の出会いと国家資格
今からおよそ230年前、ターヘル・アナトミア(解体新書の原本)を翻訳した医師杉田玄白、前野良沢らは江戸小塚原で死刑囚の遺体を払い下げてもらい、オランダ語で書いてある人体図譜と遺体を比較しながらその本の翻訳を成し遂げました。「解体新書」は「蘭学の始まり」でありましたが同時に東洋医学しか知らなかった日本人は、このことによってオランダ医学を知り、後の日本の西洋医学導入のきっかけとなったと思われます。明治に入って、本邦の医療制度が東洋医学から西洋医学中心に切り替わりました。中国から渡ってきた鍼灸術、日本で育った柔道整復術はこの大波にのまれながら次第に西洋医学を取り入れることによりこの波を乗り越え、国家資格を有する柔道整復師とはり師・きゅう師が誕生しました。
何を学ぶのか
本学では科学的思考の基盤に関する科目と解剖、生理、病理、臨床医学、鍼灸・柔道整復理論、鍼灸術、柔道整復術など西洋医学と東洋医学の両者を学び、臨床実習は本学附属施術所(治療院)で行われます。医学は人間を対象とした科学であり、人類が生き延びるためのサイエンスです。高校までに学んだ生物、化学、物理を基礎とし、人に応用する科学(医学)を学びます。これまで培った人間性に磨きをかけ、治療師としての心得を学んでいただき、患者さんから信頼される柔道整復師、はり師・きゅう師を養成します。社会はあなたを待っています。 |